5-2.自己実現の方法(エイブラハム本)

アメリカ人のエスター・ヒックスとその夫であるジェリー・ヒックスの共著である『引き寄せの法則-エイブラハムとの対話』の内容は具体的な自己実現の方法に満ちた一書です。

霊媒(チャネラー)能力のあるエスター・ヒックスを介して、夫のジェリー・ヒックスとあの世の高級霊グループ(自称エイブラハム)との対話で構成されている本書では潜在意識を「内なる存在」と表現しているのが一つの特徴です。本書では自己実現の具体的な方法として「創造のワークショップ」を提示しています。その内容はジョセフ・マーフィ本ときわめて共通点が多く、この事実は真理の普遍性を証明しているといえます。

思考は一種のバイブレーション(波動)であり、善き波動は善き波動を引き寄せます。これを「引き寄せの法則」といいます。また、同じようなことではありますが、善き波動は善き波動と同通し合います。これを「波長同通の法則」といいます。そして、善き原因は善き結果をもたらします。これを「原因と結果の法則」といいます。すなわち、「引き寄せの法則」とは「波長同通の法則」のことであり、「原因と結果の法則」に他なりません。今から約2600年前に釈尊がインドにて説かれた「縁起の理法(原因と結果の法則)」こそが時代を超え、地域を超えて説かれ続ける普遍的真理であり宇宙の根本法則であるということです。この法則の上に立てば偶然ということはあり得ないということがよく分かります。

『引き寄せの法則-エイブラハムとの対話』(原題『The Law of Attraction』(2006年))で特に注目すべきは、そう簡単には納得されない方も多いかとは思いますが、事件の加害者と被害者は共同でその事件を起こしているという指摘です。(実はジェームズ・アレンも 『ABOVE LIFE’S TURMOIL』(1910年):邦訳版『「原因」と「結果」の法則③(困難を超えて)』(サンマーク出版)の中でまったく同様のことを述べています。)「原因と結果の法則」が宇宙の根本法則であることと、「思いがすべて」の真理から、こう断言できるわけですが、この真理を知れば、自分の深層意識の想念がいったいいかなるものか真剣に確認せざるを得ないのではないでしょうか。私たちは常日頃表面意識で考えていることが自分の本心なのだと思っていますが、実はそうではなく、表面意識の奥にある深層意識に自分の本心が潜んでいるのです。そして、これが真実であるからこそ、病気や貧乏や事故などを望む人などいないはずなのに、そういう現実に直面する人がいるのです。

あと一つ、本書で注目すべきは、関心を向けたものが引き寄せられてくるという事実の指摘です。これなどは教えられなければ決して分かることではないと思います。今現在、自分が経済的に窮していたとして、そのことをいつも気にしていれば、いくら表面意識で豊かさをイメージしても、引き寄せるものは相変わらず貧乏であるということです。自分がいつも何に意識を向けているのか、あるいは自分の深層意識の中身がいかなるものであるかは現在の自分の人生環境が如実に示してくれています。

その確認が一とおり終れば、後はそれと断固決別して自分が願う人生環境を思い描くことに専念すべきです。その実践方法の一つを具体的に教えてくれる一書が『引き寄せの法則-エイブラハムとの対話』(吉田利子訳 SBクリエイティブ株式会社刊 初版2007年)です。従来の自己啓発本とは異なる新たな願望実現の視点が得られる本であるといえます。

『引き寄せの法則-エイブラハムとの対話』
(吉田利子訳 SBクリエイティブ株式会社刊 初版2007年)

5-1 自己実現の方法(ジョセフ・マーフィー本)はこちら

5-3-0 自己実現の方法(ジェームズ・アレン本)はこちら 

5-4-0 自己実現の方法(トーマス・トロワード本)はこちら
 

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